ギ酸還元を利用した、フラックスレスはんだ付け(リフロー)のご提案
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2016年3月29日

ギ酸還元を利用した、フラックスレスはんだ付け(リフロー)

一般的なはんだリフローでは、はんだの濡れ性を確保するため表面酸化膜を破く能力のあるフラックスを使用しますが、リフロー後のフラックス残渣をなくすため洗浄工程を経てから製品の出荷を行います。

洗浄工程を経ることでフラックスの残渣成分が完全に除去されればいいのですが、製品の形状が複雑化したり、高密度実装化が進むことで、完全に除去しきれないフラックス残渣が製品に付着したままになることも珍しくありません。

また、洗浄工程があるということは洗浄廃液処理の問題も発生することとなり、近年ご注目をいただいている「環境保護」の観点からも、望ましい状況であるとは言いがたいのが現実です。

弊社でご提案をしております「ギ酸還元を使用したはんだリフロー」では、フラックス残渣が問題となるのであれば、そもそもフラックスを使用しなければ残渣を気にしていただくことがなくなるのではないかという、大変シンプルな考え方に基づいています。

ギ酸(HCOOH)という物質は、元々蟻が餌を見つけた際におしり部位から地面に擦り付け、他の仲間に餌のありかを知らせる役割を担っていることが近年明らかになっております。つまり、

  1. 元々、自然界に存在する物質であること
  2. 常温環境においても空気中の酸素と結合し、最終的には、水(H2O)と二酸化炭素(CO2)に分解されるものであること

などから、自然環境汚染の心配をすることなく利用ができるという特徴を持っています。
法律上の問題においても、90%未満の濃度であるギ酸溶液については、危険物取扱担任者資格などを必要としない、法規制対象外となっていることから、どなたでも簡単に取り扱いをしていただくことが可能です。

ギ酸の反応イメージ

ギ酸の反応イメージ

水素還元との比較

水素還元との比較

表面に形成されている酸化膜の除去を促すための還元反応は、ギ酸だけでなく、水素ガスを利用することでも実現可能です。但し、上記比較表にもあるように、水素ガスを利用した還元を行うには、およそ300℃付近の炉内温度が必要となります。従来のはんだ材料融点温度が265~280℃付近であったため、結果的に炉内温度を300℃付近にまで上昇させることから、水素ガスによる還元は、広く多方面で利用されてきました。しかしながら、近年、

  • 長時間の高温環境には耐えられないデバイスが出てきていること
  • 水素ガスは、酸素と混合することによる、爆発の危険性があること

などの理由から、より低温環境でも十分な還元効果が得られるギ酸還元方式に注目が集まっています。

ギ酸還元が利用され始めているアプリケーション

  1. 自動車業界
    EV、HV車に必要とされる、高性能SiCパワーモジュールのアセンブリ
    ヘッドライト用高輝度LEDの放熱板アセンブリ
  2. メディカル業界
    内視鏡アセンブリ(含む、CCD)
    心臓ペースメーカーなど、人体内部に長時間留める必要のあるデバイス
  3. 半導体業界
    C4プロセスでの、BGA、CSPパッケージアセンブリ

また、他の業界様でも、洗浄工程を必要としない、フラックスレスはんだ付け(リフロー)の可能性について、お問い合わせやデモのご希望などを多数いただいています。

ギ酸還元対応 卓上型真空はんだリフロー装置でのギ酸利用

弊社のリフロー装置に取り付けられている、ギ酸溶液注入口から適量のギ酸溶液を供給しておけば、

  • 窒素ガスとの適量混合
  • チャンバー内への送り込み

などを装置側ですべて自動制御されるシステムとなっていますので、爆発や腐食などの心配をする必要はありません。

ギ酸:窒素ガスの比率が約3:97となるように装置の混合システムが自動的にギ酸と窒素ガスの混合を行い、混合ガスをチャンバー内部へと供給する仕組みになっています。

チャンバー内部に送り込まれたギ酸+窒素の混合ガスの内、ギ酸成分(HCOOH)がパターン面などの表面に付着している酸化膜を還元させ、表面をきれいな状態へ変化させます。

チャンバー内での還元

2HCOOH + O2 => 2H2O + 2CO2

この還元反応は、常温状態でも徐々に進行しますが、現実的なリフロー時間(数分~十数分)の中で効率よく還元反応を起こすためには、概ね150℃程度の温度設定が必要になります。

しかしながら、よく知られている水素還元炉が、水素ガスの還元反応を得るために必要な温度(約300℃)よりも、より低い温度から際立った還元効果を得ることができますことから、融点270~280℃の通常はんだの他に、低融点はんだや高融点はんだなど、幅広い材料選定を行っていただくことが可能となります。

温調推移

※冷却開始と同時に窒素ガス流入に切り替え、酸化を防止するとともに余分なギ酸成分を置換する

このようなプロセスを利用していただくことで、フラックスレスはんだでのリフローを可能にし、かつボイドフリーの結果を得ることができます。

UniSoftによるプロファイルプログラム設定(例)

プロファイルプログラム設定(例)
弊社のギ酸還元対応 卓上型真空はんだリフロー装置には、プロファイルプログラムを自由に作成したり、温度変化や真空度変化、また、ガス流入や真空ポンプ作動のタイミングをCSV形式のデータで記録するためのWindows版ソフトウエア(UniSoft)が標準添付されています。

UniSoftを利用することで、EXCEL画面に数値を入力していただくのと同様の手軽さで、設定時間や目標温度、ガス種別ごとのON/OFFタイミング、及び真空ポンプのON/OFF制御のタイミングを簡単にプログラムしていただくことができます。

unisoft3また、右図のような、リアルタイムモニター機能を備えているため、必要な情報をPC画面上で確認することも可能です。

モニター画面には、温度推移や経過時間、オプションの真空度センサーなどが装備されている場合には、その数値データなどが表示されます。

取扱製品案内

フラックスレス・ボイドフリー・ギ酸ガス・水素ガス対応 真空はんだリフロー装置

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インライン対応型 ギ酸・水素還元両対応真空はんだリフロー装置

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